【書評】中満泉『危機の現場に立つ』から学んだ、近くにいる人を忘れない大切さ

みなさん、中満泉さんってご存知ですか?現在、国連で軍縮担当事務次長という事務総長、副事務総長に次ぐポジションでご活躍されているかたです。
昨年5月に就任された際にニュースをみて、早稲田の法学部出身ということで勝手に親近感を持っていたんですが、今回、この中満さんの著書『危機の現場に立つ』を読んだのでご紹介させてください!
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仕事以外の一面も
本書は中満さんの学生時代から国連で勤務されている今現在までのストーリーが凝縮された一冊。
UNHCRで務められていたことは知っていたので、『危機の現場に立つ』というタイトルからもその現場のお話に焦点が当てられているのかなと思ったのですが、印象に残ったのは本書中盤の家族のことを綴った章。
ついつい、メディアを通してみる方の生活というのは本業が全てを占めて私生活があることは忘れてしまうことがありますが、もちろん、国連の管理職を務めている方にも家族がいるということを思い出させてくれました。
中でも、国連PKO局に勤めている時は忙しい中でもかぞくとの時間をつくるルールを自分でつくっていたようで、親としての一面を垣間見れました。
ぼくは比較的自分の興味の向いたことに一極集中してしまうタイプで他のことをいろいろと置いていってしまうため、迷惑をかけてしまうことがしばしば。。
これを自分が不器用という言葉で今まで片付けてしまっていたのですが、中満さんのような多忙な方でも家族との時間をしっかりとっているのをみると反省せざるをえません。
身近な人との時間と両立するためにはどうしたらいいのでしょうか?これは根性論などではなく中満さんみたいにルールだったり、仕組みを作ることが大事なのかなと。
両立したければ両立することを頑張るのではなく、両立するための仕組みを作ることに力を注ぐのがいいのかなと思いました。
また、普段、難民を始めとする人道問題や安全保障の問題を前にしているがゆえに、近くの人を大切にできなければ、国民など不特定多数の人を大切にできるはずがないというような思いもあるのかなと想像します。
足元を照らしつつ、徐々に自分の半径を押し広げていくイメージですかね。今の身近な人って誰なんだろうって考えながら実践していきたいところです。
以上のように、本書は中満さんの国連職員の一面だけでなく、外国の外交官の妻として、そして2女の母親としての一面など、個人としての思いが詰まった一冊となってます。
国連職員の方が仕事をはじめ、私生活をふくめてどのような時間を過ごしているのか垣間見ることができるのでおすすめです。みなさんもぜひ。
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同じく国連の方の著書といっても全く毛色の異なる一冊。中満さんが比較的個人に焦点を当てているのに対して、こちらの忍足さんの本は現場のチームに着目しています。合わせて読んでみると一言で国連と言っても様々な切り口があることを感じられると思います。
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