ストリートチルドレンにロヒンギャと呼ばれた話

ロヒンギャ難民の帰還が再び延期になったということでこちらの記事を書いていたんですが、以前ロヒンギャに関してこんな場に遭遇したことを思い出しました。
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小さな女の子に「ロヒンギャ」と呼ばれる
バングラデシュでも他のアジアの国々と同じようにストリートチルドレンをちらほら見かけます。
ぼくの住む地域ではそこまで多い印象はないですが、ぽつぽつとオフィスの近くでも歩いており、ときどき声をかけられます。
バングラデシュやウガンダなどでの滞在経験をお持ちの原貫太さんもブログで紹介しているように、ストリートチルドレンの裏には犯罪組織がいることがあり、子供にお金を渡すとその裏の組織に渡ってしまうことがあると言われています。
なので、ぼくも基本的には現金は渡さずにその子がその場で口にできるものを渡すようにしています。
そしてある時、小さな女の子が袖をつかんでお金をねだってきました。
ぼくはポケットにあめが入っていたので「お金じゃなくてこれならあるよ」と手渡したところ、その女の子がぼそぼそと何かを言っています。
「・・・・・ロヒンギャ・・・・」
ベンガル語はよくわからないのですが、そのなかで「ロヒンギャ」という言葉だけは聞き取れました。
どういうことか瞬時にわからなかったので、隣りにいた友人に聞いてみると「お兄さんはロヒンギャなのね」と言っていると。
どうやらお金がないことをロヒンギャとその女の子は形容したようです。
正直、この言葉にはショックを受けました。お金がない、貧しい、困っている人のことを「ロヒンギャ」という言葉で表してしまう子どもと対面して呆然としてしまいました。
実はこの女の子だけではありません。昨年ロヒンギャ支援で配布されたクッキーがオフィスにも届いており、食べていいよと言われたので頂いているとスタッフから「のぶさんはロヒンギャだね」と笑いながら言われたこともありました。
ジョークなのはわかるんですが、どうしてもそこでは笑えず。
バングラデシュの社会の中でのロヒンギャ難民の方の扱われ方がなんとも不憫で悲しくなってきました。
バングラデシュに渡ってきたひとたちも好きで来ているわけではないのに、大義の意味でのホストコミュニティでの捉えられ方を見ると難民問題の解決が難しい根深さを感じます。
行き場のない人たちに手を差し出せる寛容な社会ってどうやったらつくれるんでしょうか。バングラにいながらこんなことを思っています。
それではこのへんで。
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