国際協力ってきれいなことばかりじゃないんですよねって話。

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国際協力は広く見たら政治の一部
現在、国連の安全保障理事会では日本が通算11期目の非常任理事国を務めており、国連史上最多。この12月で満期終了となります。
ですが、今月は日本は月替りの議長国となっており、北朝鮮の問題を国連を通じて強く非難したい日本にとっては大きなチャンスとなっています。
日本では連日北朝鮮に関する報道がやみませんが、海外のメディアを見ると北朝鮮より中東が国際政治の問題のメイントピックであることが感じられると思います。国際政治の動向に関心のある方はぜひ日本のメディアと合わせて御覧ください。
さて、少しそれていましましたが、本日の本題です。ちょっと気になったので、日本がこの11期目の非常任理事国になる経緯を調べてみたのですが、出てきました、バングラデシュ。この非常任理事国は任期が2年なので日本は2016年と2017年に務めたことになります。
なので、決まるのはその前になるのですが、この非常任理事国は地域ごとに席数が割り当てられているので、日本はアジア枠を争う必要があります。
2014年の段階で日本とバングラデシュが名乗りを上げていたのですが、2014年に安倍首相がバングラデシュを訪問した際に、日本が4〜5年で最大計6000億円の支援を約束する代わりにバングラデシュが立候補を取り下げました。
つまり、国際協力が国際政治のディールのカードとして使われているのです。他にも例えば、アフリカ開発を推進するために日本がイニシアチブをとってはじめたTICADも昨年で第6回を数えましたが、発足当初は日本が国連の常任理事国入りを目指すためにアフリカの票集めを意図していたと元政府関係者の方が以前仰っていました。
個人的には、有効な外交ツールだと思うのでそれ自体をとやかく言うつもりはないのですが、このように援助が政治利用されることに抵抗がある人は一定数いるかと思います。
ただ、安保理の非常任理事国立候補の例で言うと、6000億円が本当に必要な支援から算出されたものなのか、選挙に割り当てられる予算が先に決まっててそこに後付の理由として支援内容が充てられるのかは気になるところですね。
ちなみに余談ですが、バングラデシュに来るときの飛行機で後ろの席の人が国連の水色のパスポートをもっていてUHNCRの資料(おそらくロヒンギャ関連と思われる)を読んでたみたいなこともあったから、案外国連を身近に感じて過ごしてる今日このごろです。
それでは本日はこのへんで。
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