若者が海外に出るべき理由〜名誉総領事の話から〜
- 2018.05.05
- バングラデシュ

名誉(総)領事は、我が国の在外公館が設置されていない地域において、我が国及び我が国国民の利益の保護、外国との文化交流の促進等を図ることを目的として任命されます。その具体的な職務内容は現地の事情等により異なりますが、例えば、(1)邦人保護活動に対する支援、(2)大使館乃至は総領事館が現地で文化交流活動を行う際の支援などがあります。(外務省HPより)
メインの在外公館から遠いところで日本にとって重要な地域に置かれる公館なんですね。
なお、普通大使館など在外公館の長は日本人が努めますが、名誉総領事は現地の人が任命され、この日も名誉総領事であるバングラデシュの方とお会いしてきました。
一緒に少し離れたところにある学校に視察に行く予定だったので、道中、車の中で様々なお話を。
その中でも印象に残っているのが若い世代は海外に出たほうがいいというお話。
この方、温暖化など環境に関する問題にとても強く関心を持っており、このチッタゴンも国内最大の港を有していることからもその環境に関する課題を危惧していました。
勢力的にロビイングもしていたようで、かつて財務省に温暖化対策に関する予算を計上するように書簡を送り、財務省からもぜひ取り合わせてほしいとの前向きな返事が返ってきて、国会にも有識者として招待されたのだとか。
しかし、実際に行ってみると、審議のなかで温暖化に関して発議する議員はおらず落胆したという苦い過去があったようです。
予算がつかなくては他国とも議論するきっかけも作れないため力を入れていたものの、政治には「人」より優先してしているものがあるとがっかりした表情を浮かべていました。
ただ、そこで続けて仰っていたのが、
「君たちみたいな若い世代が早くから海外に出て世界が抱えている問題に目を向けた上で国を引っ張るようになれば、そんな問題もなくなるだろう。次は君たちの番だ。」と。
日本とバングラの架け橋として任命されながら、自分の国のために尽力された方から言われると非常に鼓舞されますし、いま海外に非常に簡単に出られるようになった時代だからこそある責任というのも感じました。
特に日本人は他のどんな国よりも海外に行ける国なのでそういう役割も期待されるんだろうなと気づいた1日でした。
弾丸出張でスケジュールタイトな中、色々と心に残る言葉を残して頂いたのは本当に感謝です。ぜひまたチッタゴンにはお邪魔させていただきたいですね。
風景も心落ち着くものだったのでぜひ次はゆっくりと。
それでは本日はこのへんで!
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