途上国とブロックチェーンの親和性

みなさんこんにちは!松原です!
最近、自分の中で世間から何周か遅れてはいますがブロックチェーンが来ています。
ブロックチェーンと国際協力と言うと、ビットコインなどの仮想通貨を使った金融包摂などが話題に上がりやすいかとは思いますが、個人的に気になっているのはブロックチェーンによる取引の透明性と不可逆性といったポイント。
本日はその点についてお話できればと思います。
SPONSORED LINK
スマートコントラクトと途上国
気になり始めたきっかけは自分の海外生活で困ったことを振り返ったとき。
遡ること3年前。僕はインドネシアでフィリピンから送ってもらった中古のノートパソコンを受け取ろうとしていたんですが、インドネシアにはついているはずなのに税関の手続きに引っかかって受け取りができませんでした。幾度となく根拠のよくわからない書類不備を指摘された上、毎回税関で違うことを言われ、正確な情報を掴むことができませんでした。
また、ところかわってバングラデシュ。こちらでも中国からタブレットを輸入する手続きをしていたのですが輸入業者と連絡を取るたびに新たな情報を持ち出されて受け取りが遅々として進まず。
どちらの国でもこの類の取引には悩まされました。
しかし、ふと思ったときにこれってスマートコントラクトが持つ機能で解決できるんじゃないかと思ったんです。
スマートコントラクトはよく自動販売機に例えられるんですが、「お金をいれる」「買いたい商品のボタンをおす」という条件が揃ったら勝手に商品が出てきますよね。
スマートコントラクトも大枠はこれと同じで条件を設定しておいてそれが満たされたら自動的に契約が履行されるというもの。
さらに仲介業者もはさむ必要はないので余計なコストもかからないのが特徴です。
途上国のように行政の絡む取引であっても恣意的かつ属人的な面を持つ状況では相性がいいと感じます。
(なんでこんなことポンって思ったかというと大学の先生がブロックチェーンや仮想通貨の取引・法まわりの研究者で少し自分もかじっていたからというのがあります。ちなみに先生こんな本も出してるので興味ある人はぜひ。)
と、そんな観点から途上国とブロックチェーンの親和性を感じて今更ながら勉強をはじめてみました。
ぱぱっと記事だったり書籍だったり読んでみて仕組みや理屈はとりあえずわかってきた(気がする)んですが、やはりどのように使われているのかが気になるところ。
実際に途上国でどのように使われているのかと調べてみるとICT for Development.jp さんがいくつかサイトを紹介してくれてました。
ここで紹介されている中からアフリカの事例を見てみてバングラでも共通するなあと思うのが、土地の所有権や汚職防止のため選挙でブロックチェーンの透明性を活かすこと。
まず、土地の所有権に関しては、途上国ではよくあることですが、土地の所有者が亡くなると子どもや親戚に分割して引き渡すので地権者が複数人いる状態になり、誰の土地なのか正確に把握できない問題が発生します。
身内で使う分には(税の問題などあるにせよ)まだいいかもしれませんが、日本など海外の国からみると企業が進出したいときに地権者がわからないと土地を買い上げられないという課題が発生し、企業進出の足かせの一つになってしまいます(JETRO調べ)。
また、選挙での活用に関しても、バングラではついこの間、郊外の市長選で投票の終了後野党が投票無効化を訴えるなどの場面がみられました。
公平な選挙を実現するためにもテクノロジーは活用できるのではと思う次第です。
先進国では技術革新のなかで生まれた単なるテクノロジーのように思えるかもしれませんが、長い目で見るとブロックチェーンのもつ透明性と不可逆性は、政治やビジネスのなかで不信感が充満する途上国では国の信用を高める大事な一役を担うのではないかと思います。
このブログでも随時事例など紹介できたらと思うのでお楽しみに!
▼ブロックチェーンのはじめの1冊にはこちら
▼スマートコントラクトについてはこちらから
-
前の記事
【Week 32】バングラも案外きれいなところある??TOEFL会場の設備が抜群だった話 2018.08.13
-
次の記事
メディアの伝える途上国の印象とは 2018.08.15